また、あした…

私が好きな音楽のことを綴るブログ

捨てる神あれば拾う神ありの名曲

エピックとの契約解除から「悲しみの果て」で再デビューと言う運びになってきた頃、その時に立ち上げた事務所の社長さんが「四月の風」をシングルカットしよう!と、持ち掛けた。
しかし、「四月の風」を作った当人はこの曲をあまり気にいっていなかった。ボツにしようとさえ思っていたらしい。しかし、社長をはじめ周りの人達は「四月の風」推しだったという。
そういうわけで再デビュー(1996.04.19)のシングルは両A面の「悲しみの果て/四月の風」となったらしい。一旦はボツにされそうになった曲を社長が拾って陽の目をみた「四月の風」は、発売時に大阪のFM局で頻繁にかかっていたという。それを大阪で活動する芸人たちもこぞって聴き、自分への励ましソングにしたという。*1
そしてのちに東芝の企業イメージソングにもなり、華々しい復活を成し遂げた。

今年のZEPP TOUR。大阪からのスタートでこの「四月の風」がメインテーマの曲だった。と、言ってもおかしくはなかったけど、私が思うに…ミヤジがデビュー30周年のスタートに向けて、ゲン担ぎにしたかった曲なのではないかと感じた。

大阪のFM局でいっぱい流してくれたこの曲のおかげで、エレファントカシマシは再び息を吹き返した…と、言っても過言ではない。そんな風に…思っているのだと思う。このあと再びレコード会社の移籍などを経るけど、「四月の風」の事があったおかげで原点回帰しながらできたのだろう。

ミヤジが捨てようとした曲を社長が拾い、広く親しまれる曲に育っていった…。

何かが起こりそうな気がする
毎日、そんな気がしている
ああ、うるせい人生さ
そう、今日も
またきっと何かが始まってる

こう自分でも予言しながらも一度、捨てようとするなんて…宮本浩次は沢山の守護神に守られてきているんだな…。

ミヤジはフォークっぽい柔らかい感じがどうも受け入れ難かったようですが、世の中の人はこういう希望に満ちた曲が大好きなんだよね。この頃のミヤジだっていろんな期待や希望があったはずだし、その気持ちが生み出した作品なのだろうけど…。

デビュー30年…「悲しみの果て/四月の風」の再デビューからは20年…これは彼らに意識があるのかどうかわかんないけど、佳節が重なっているなぁ…って気がついたのです。エレファントカシマシにとって良い風がビュンビュン吹き込む…そんな気がします。

 今日のLyric Speakerの曲は…

 

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*1:ダイノジの「D☆JACK」という番組にてエピソード紹介