『オレを生きる』…陽は東から昇りやがて西を照らす
西からROCKが東の国「日本」に渡って来て、まだ50数年。
やがて、日本で生まれたROCKは西へ戻って行くのか?邦ROCKはまだ欧米の歴史には及ばないけれども、最近全米ツアーに参加したり、人気のあるバンドも目にするようになりましたよね。それに近隣アジア諸国への進出は目覚ましくファンも多いことがわかります。
いつか、邦ROCKが洋ROCK発祥の欧米を照らす時代はくるのでしょうか?
前回の『RESTART』の記事で書きたかったことだったのですが、RESTARTの歌詞の中に…
御日様は東から昇り月は西から…
と、いう部分でTwitterでも「え?どういう意味?」という声があったんですよね。実はどこかで見聞きしたことがあるフレーズだったので、私も気になっていたのですがふと思い出しておりました。
これはとある日本仏教の開祖が説いた説法の中に出てくる言葉「月は西より出でて東を照し日は東より出でて西を照す」と似ているなと…。
解釈としては仏教は月に例えられ、仏教の発祥国と言えば日本より西に位置するインド。インドの釈迦の教えです。月は西の空から日本を照らし(渡り)て来たけれども、いつか日本仏教が太陽となり西の国を照らす教えとなるだろう。そういう説法でした。
現にインド仏教の現在は衰退していて、逆に日本で生まれ変わった仏教の教えが西に戻って広まり、仏教がまた見直されつつあるという時代になっているようです。
このことを知ってか知らぬか…わからないけど、私はこの説法を調べ直した時に宮本は日本のROCKシンガーとして、自分の作品が西で認知されることを夢見ている…それが宮本のRESTARTなのかな?そう、感じていたのです。
さて、『オレを生きる』からイメージした写真はこちら(2018年1月29日撮影)
RESTARTの歌詞読んでそんなことを思っていたんだけど、『Wake Up 』の最後に収録されているこの『オレを生きる』を読むと…まだまだ、先のことなんかどうなるかわからない…先行き不安なオレが見え隠れしているのが宮本らしいなぁって思ってしまった。
2017年は久しぶりにサマソニに参加して、2018年はFUJI ROCKに初出場しYouTubeで生配信されたから、世界発信も実現した。エレファントカシマシは海外ではどのような評価をされたのだろう?
相変わらずオレはオレのまま行くだけで…いいのかな?とか、いらぬ心配したりして(笑)
偶さか(たまさか)感ずる 最高な瞬間(とき)を…
オレはオレを生きる
“たまさか”というのは、滅多にない稀なという意味だから…この曲を最後に入れることを最後まで逡巡したというのは、Wake Up !覚醒!とは言ったけど…実は保守的になっている“オレ(宮本)”があまりに顕著に出ていたからでしょうか?ちょっと今後の活動の行方に布石を置いた曲だな…って今はそう思いながら聴いています。
この写真の川は隅田川です。陽が西の空へ戻る時間帯で下流(東京湾)に向かって船がすすんでいます。また、東から昇るために…Wake Upするために…。
余談ですが、永井荷風 「すみだ川」この小説に描かれている場所に近いところです。この写真は1月の夕刻に撮ったものですが、今はちょうどこの小説の冒頭に出てくる季節と同じ8月。帆掛け船が風を受けて川面を走っているシーンがあります。
なんとなくこの写真の風景と荷風の描いた風景が重なります。