ほゞ、エレカシ漬

私が好きなエレファントカシマシの事を軸に音楽のことを綴るブログ

おまえ、でっけぇな…が、こんなところで…

新春浅草歌舞伎2019

1月4日(金)に 新春浅草歌舞伎2019 を観賞しに 浅草公会堂 に行ってきました

初めての歌舞伎🎵イヤホンガイドで解説を聞きながら、わかりやすく楽しみました。
 

 
都合で1幕と2幕しか観賞できませんでした。
1幕は 寿曽我対面 2幕は 番町皿屋敷 。席が花道の近くだったので、役者の凄みのある演技、臨場感がビシビシ伝わって、日本の伝統芸能の素晴らしさを遅れ馳せながら、体験することが出来ました❗
「寿曽我対面」では主役の曽我五郎(荒事)と曽我十郎(和事)が花道から登場すると、鎮座する大名達が「アーリャ、アーリャ」と掛け声(化粧声“けしょうごえ”)をかける。その後、足を止めた五郎に「でっけぇ!」と声がかかった。


壽曽我対面 日本語
※これは平成21年の公演の様子※


思わずエレファントカシマシ「生命賛歌」を思い出したよ!(笑)
この歌舞伎の「でっけぇ」は『化粧声*1』と言って荒事*2の主役の動作を引き立てる時に脇役の人がかける褒め言葉だということ。
 


生命賛歌 /エレファントカシマシ

宮本浩次が荒事役の人物のような風貌。
そして、「おまえデッケェなー」はこの時代を飾った人気アーティストに捧げた化粧声なのだな…って、生命賛歌に何故か歌舞伎を重ねてみてしまいました 。
 
さて、帰ってきてから演目の基礎知識を調べてみました。
 
「寿曽我対面」
 
日本三大仇討ちの一つです。曽我兄弟が父親の仇である工藤祐経に面通しする場面が描かれていました。
曽我物語(曽我物)」の中の一場面だと思うのですが、お正月によく上演される作品とのこと。私が初心者だったこともあるのですが、この演目は歌舞伎の基礎的なことが詰まっている感じがしました。
 
主役の曽我五郎は「荒事」と言われる役で隈取(赤)も血気盛んな若武者を表しているということです。
隈取も色によってその役どころが変わるようで…
 
「赤」…荒事
「藍」…仇
「茶」…鬼、妖怪
 
寿曽我対面では工藤祐経が仇なので藍色の隈取となるのかもですが、このお話ではそういった施しはされてませんでした。それは祐経が領地では善人であったと、いう立場からかもしれません。のちに潔い武士だなと思わせるエピソードがあったので少しわかった気がしました。
また、対面の立役者となった朝比奈という家臣は「猿隈」がされていました。猿顔だった人物だったのでしょうか?(笑)

また、仇討ちが題材ではありますが仇討ちのシーンは出てきません。荒ぶる五郎が今にも襲い掛かりそうになるところを兄の十郎が一旦嗜め、仇である工藤祐経が仇討ちの好機となる狩場への通行切手(手形)を差し出すという、なんとも不思議な話しです。

仇討ち話とかなんとも鬱々しく感じてしまうのに、100年以上も正月歌舞伎の人気演目になってる理由は?
まず、仇討ちは現代的な思考であるやられたらやり返すといった単純な「仕返し」という意味ではなく、お家存続・死活問題に関わる人物(家長)が殺されてしまったことで、その家族などが仇を討つ制度です

それを若い兄弟が長年にかけ苦労(艱難辛苦)し探し出し無念を果した。という封建制度の倫理観の上に成り立った「美徳」が、お正月にふさわしいとされ民衆からは喜ばれたからとのこと。
 
確かに場面が伊豆・伊藤の領主だった工藤祐経の屋敷に大名が、新年の挨拶に来るという華やかなシーンでもあります。
 
お正月なので工藤祐経の両脇には大磯の遊廓から人気の艶やかな遊女が…実は曽我兄弟の恋人であったという裏話。恋人と雇い主のはざまで複雑な心持ながら場の雰囲気を和らげる役どころ。
 
 
「番町皿屋敷
 
お正月に怪談話!?と、これも驚いてしまいました(笑)
 
番町皿屋敷と言ったら腰元であるお菊が旗本の家宝である皿を不慮の過失によって割ってしまい、それに激高した理不尽なお殿様がお菊を成敗し井戸に投げ捨て、その怨念で「イチマ~イ、ニマ~イ……イチマイタリナイ…」と、夜ごと井戸から声がする話かと思ってましたが、それが実は純愛物語であったってことです。
 
これは身分違いの男女の恋物語で腰元のお菊が旗本である青山播磨への思いが募りすぎ、あらぬ疑いから播磨の気持ちを確かめようとわざと皿を割るという展開でした。
 
家宝である皿よりも自分の方を大切だと思っているか…?最初は過失ということで許されその「愛」が確かめられたが、わざと割ったところを他の腰元が見ており、告げ口をされて嘘だとばれました。
播磨は嘘をついたことに怒ったのではなく、噂(播磨の縁談話し)から潔白な真心を疑われていたことに傷つき、「潔白な男のまことを疑うた、女の罪は重いと知れ」と、お菊を手討にするのです。ですがお菊もまた自分の浅はかな気持ちを恥後悔し、播磨の本心を知ったことで満足しながら死んでいく…そんなお話しでした。
 
大正ロマンと言われた時代に作られた新歌舞伎の作品だということなので納得です。



さて、今回は二部(15:00~)からの観賞でした。演目が違うので一部(11:00)の方にも行ってみたくなりました。
もっと歌舞伎の知識を得てから今度は歌舞伎座に行けたらいいなー。
 
 
 

*1:https://kotobank.jp/word/化粧声-490024#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88

*2:https://kotobank.jp/word/荒事-27734