また、あした…

私が好きな音楽のことを綴るブログ

STAY HOME ②佐野元春と松本隆

お題「#おうち時間


「この道」(Social Distancing Version)  佐野元春 & ザ・コヨーテバンド

ハートランドからの手紙 2020.4.6

外出を控え、距離を保ち、健康に気をつけて、支えあう。
たとえ離れていても絆は壊れない。僕はそう思っている。

引用:佐野元春オフィシャルサイト「この道」特設ページ

コロナウィルス禍の影響で日本中が自主待機するようになってまもなく、多くのアーティストや芸術家も予定されていた公演等が中止になり、死活問題を共有する事態になった。

私のような一般人は日ごろの生活のうっ憤を音楽を聴いたり、Liveに行ったり映画を観たりして紛らわせている。

なので、アーティスト達が活動できないということは、心身のバランスを保つ術を奪われたようなものなのです。

それでも多くのエンターテイナー達はいち早く、この混沌とした状況を少しでも和ませようと、ソーシャルメディアを通じて発信を開始してくれた。

本当にありがたく頭の下がる思いさえしました。

私の敬愛する佐野元春もまたその一人です。THE COYOTE BANDのメンバーとリモートで演奏してくれた「この道」。

難しい言葉は一つもない、優しいメロディーライン。メンバーのお家の様子を観ながら元春の歌声で私もリビングでリラックスしてます。

友情出演のゾーイくんがめっちゃ可愛い♪

瑠璃色の地球』chorus~みんなで瑠璃色の地球を歌おう

さて、先日作詞家の松本隆さんもこのコロナ禍の事態に際して、「『瑠璃色の地球』chorus~みんなで瑠璃色の地球を歌おう」というプロジェクトを立ち上げました。

jocr.jp

2011年の東日本大震災の時に被災地の人達に向けて瑠璃色の地球を贈ったことがきっかけとしてあったようです。

多くのヒット作品を生んだ松本隆さんですが、大衆に広く伝えたのには歌手松田聖子の存在が欠かせない。

彼女が歌うことで曲がヒットし歌い継がれ、松本さんの50年のキャリアを網羅するようにあらゆる年代に愛されている作品ばかりなのです。

佐野元春のTHE SONGWRITERS Part2 松本隆

佐野:松田聖子プロジェクトで一番苦労した点はなんでしょうか?

松本:何もない

佐野:何もない?そうですか!

   松田聖子というのは1980年代をある意味象徴する

   ディーバだったのでは?

   作曲家たちは直感的にそれをわかっていたのではないですか?

松本:80年代ではないね…。戦後を象徴している。

   やっぱあの人の表現力…。

   歌っている時の歌なんだけど全身で表現するの。

   「嬉しい」っていったら頭のてっぺんから指先、足のつま先の

   爪まで「嬉しい」と、表現できる。

   そういうことできる人が今はいない…。

佐野:ただの歌手ですね。

松本:聖子のすごいところは、あの難解なことをサラッとやって

   しまう。だから、ただのヒット曲に聴こえるわけ。

   詞も曲も全く易しくない、それをポンッと消化する瞬間がある。

   あの人のやることは全て瞬間芸(笑)

   (レコーディングの当日、その場で曲と歌詞を渡しても3回歌って覚える)

   一般人にはできない消化力の速さ。

   メロディも覚えて歌詞も覚えちゃう。平たく言うと「天才」

 佐野元春松本隆から松田聖子プロジェクトの依頼を受けています。

1984年に発売された「ハートのイアリング」の作曲をHolland Roseペンネームで手がけました。

松本氏から直接オファーがあって顔合わせの時に

「佐野君、松田聖子プロジェクトというのは“ナンバーワン”でなければならないんだ」

と言われて、当時まだナンバーワンヒット曲がなかった元春は、そんな自分がナンバーワンソングを!?と、非常にプレッシャーを感じた。と、この番組で語ってました。

でも、それは松本氏にとっても強いプレッシャーだったと話しています。

 


松田聖子/ハートのイアリング

それまでのヒット曲にはなかった“憂い(ブルース)“の要素を入れて作曲したという元春でしたが、そう思って聴くと聖子ちゃんの目の表現は、まさに別れの憂いを表現していますね。

当時、松田聖子佐野元春は同じレコード会社(エピックソニー)だったので、その点でも縁がありましたね。

 

松本隆さんの瑠璃色の地球プロジェクト記事で、ウィルスという見えない敵と国民が戦っているさ中、松本さんも音楽の力で戦っていると言ってます。

活動ができない仲間達に「心配するなそれでも歌はなくなりはしない」と言いきれる松本さんに更なる偉大さを感じます。

阪神淡路大震災東日本大震災…近年の大きな自然災害のあと、さまざまなプロジェクトでアーティスト達は応援をしてくれています。

こういうときにアーティストの真価が問われるというか、ただ生業としているだけではない、そんな人間性の部分が浮き彫りになってくるなと思いました。