佐野元春 & THE COYOTE BAND TOUR 2020「SAVE IT FOR A SUNNY DAY」
『この状況で表現しうる特別なライブにチャレンジ』
私がミュージシャンとして人として尊敬をしている、佐野元春が今月名古屋、東京、神奈川、京都、大阪の5カ所で、2020年ツアーを敢行しました。
佐野元春は今年デビュー40周年の佳節です。本来は春からAnniversary Tourやイベント関係が決まっていました。
周知のとおりCOVID-19の流行により、その計画がことごとく無くなってしまいました。佐野元春だけではなく、エンターテイメント業界では多くの公演が無くなり、アーティストをはじめ、劇場やコンサートホール、LIVEハウスなどが存亡の危に直面し、多くのミュージシャンや役者を輩出してきた、老舗の小劇場やLIVEハウスですらその姿を消す事態にまできています。
そんな中、佐野元春はステイホーム期間中に新曲を発表し、まずはファンやリスナー達の不安や疲弊を癒す試みを、THE COYOTE BANDのメンバーと共にリモートで実施してくれた。
特別配信『この道』
「この道」(Social Distancing Version) 佐野元春 & ザ・コヨーテバンド
私たちはもっと
幸せになるだろう
いつかきっと
いつかきっと
願いが叶う
その日まで
その日まで...引用:2020 © M's Factory Music Publishers
そして、次に手を打ったのが・・・そんな、COVID-19感染拡大の影響で困窮する、ミュージシャンやコンサート制作などの音楽制作関係者を支援することも含めた、プロジェクトイベント『SAVE IT FOR A SUNNY DAY』の発表です。
- 有料配信シリーズ「佐野元春デビュー40周年フィルムフェスティバル」
- 最新シングル「合言葉 - Save It for a Sunny Day」
- セレクトショップ・ブランドBEAMSとの40thオリジナルグッズコラボ
これらで得られた収益の一部が、支援金として使われていきます。
そんなプロジェクトの中でもファンの多くが心待ちにした、佐野元春&THE COYOTE BANDのLIVE TOURの決定が10月にアナウンスされ、一気にファンコミュニティーの間ではざわつき始めました。
ソーシャルディスタンスを保つため、50%以内の定員、1席以上の間引き、検温、消毒の実施、マスク着用など、感染症予防に努めた、今できる限りの対策を講じたツアーです。
さて、チケットは取れるのか?という心配に始まり、行政が発動した、某景気回復策を利用し、足を運ぼうと思うファンがいたかと思えば、感染拡大でまたも中止という判断が出てしまうのか?という不安など、振れ幅の大きい迷いの中で、一度は断念していた人はチケットを求め、何が何でも行きたいと何公演か申し込んだが、家族の反対や本人の不安から手放す人がいたり・・・たった、2カ月の間にもさまざまな心の動きが垣間見れました。
「Save It for a Sunny Day」パワー温存&充電しようという時、いずれにしても40周年のこの年は二度と来ない。元春は40周年の祝福ムードを控えめに、ファンにパワーチャージ&パワーキープを促すためのLIVEを企画してくれた。
本来であれば春には40周年のキックオフLIVEツアーがあり、今頃はAnniversaryツアーで祝祭ムード満点であっただろうが、ガラッと志向を変えた「SAVE IT FOR A SUNNY DAY」LIVEツアーは開幕したのです。
私は12/15の東京@LINE CUBE SHIBUYAと、12/16の神奈川@神奈川県民ホールのチケットが取れたので行ってきました。
2020/12/15 (火)@LINE CUBE SHIBUYA
今の可能性をオーディエンスと共に実現し、“希望に繋げる”ツアーだと、私は勝手に思っている。私はその証明者となりたいと思って、会場に向かったのです。
そのための“約束事”が、一緒に唄わない、声援はしない、掛け声もなしです。
ただし、踊るのは自由!拍手が際立つ。ステージと約束を守る客席の一体感は、この忌まわしいウィルスが生んだ、唯一の奇跡と言える。
元春がいたずらっぽい顔をしながら、
- この道
- 合言葉 Save it for a Sunny Day
- 愛が分母
「知っていたらこの歌はみんなと歌いたい。・・・(胸に手を当て)心の中で。」
と、言って歌わせようとしながら笑わせた。
ちなみに私は2階席だったので、元春の顔の表情は全く見えなかったのだが、心の眼にはいたずらっぽい顔の元春が映ったのです。
好きなアーティストが思いを発信したのなら、それに応えるのがファンなのでしょう。今夜はそこに集った皆が同じ気持ちで讃え合えた夜でした。
名古屋公演では間で換気のための15分休憩があったようですが、LINE CUBEは新しい施設だからか、2時間通しの公演となりました。
2020/12/16 (水)@神奈川県民ホール
元春は
「なんだか泣いちゃいそうなので、先に話しておきます。
とても大事な報告です。僕は今年、デビューして40年になりました。ここ(県民ホール)の裏手にある、『赤い靴』という店の前で、デビューアルバムのフロントジャケットの写真を撮った。重要なことだから覚えておいて。
ここまでやってこれたことが信じられない。応援してくれたファンのみんなのおかげだと感謝しています。本当にどうもありがとう」
感謝の気持ちは言葉にするのが当たり前のことではあるけど、その当たり前が滅びた今、特にこの元春の「ありがとう」という言葉が染み入りました。こちらこそありがとうございます!そういう気持ちです。
そこからの「アンジェリーナ」だったので、もうこらえきれず控えめながら、心の声がだだ漏れてしまい(笑)それが後方からさざ波のごとく聞こえてきた。
幻聴なのか?現実なのか?
それが元春にも伝わったみたいで、嬉しそうに微笑んでいた。元春はスマートでシャープでキレがよくて…奇跡の64歳(ただの数字)でした。
この日は1階席の前方だったので、元春の表情がリアルによく見えました。ライトが眩しくてよく見えない1階席の後方や2,3階席を、手でライトをさえぎりながら見ようとしていた元春の優しさが、愛しさであふれているように見えました。
セットリスト
引用サイト: https://www.livefans.jp/
LIVEに行った人の感想で共通していたのが、掛け声を出せない一緒に唄えない、そんな環境ではあったけど、拍手や合いの手だけであんなに会場が盛り上がったことが、感動的であったということです。
そして、私が元春が用意したセットリストで感じたのは、予想だにできなかったこの状況下にピタッとはまる選曲であったと同時に、まさしくアフターコロナへ導くストーリーになっていると感じました。
COVID-19が忍び寄って世界が一変した様子や、暗闇になった世界をひときわ明るく光る星を探し歩きだす感じ、さまよいながらも励まし合ったり確認し合ったり・・・、その中で徐々に芽生えてきた希望や願いが、いつか原動力となって動き出すその日まで、大事に忘れずに行こう!そんなメッセージとしてとらえられたのです。
数日が経って自己憐憫に浸っていました。
解釈は自分のもの昨日も一昨日も全て、チケットを申し込むときからが、覚悟を決めて挑んだ。当たれば行く迷いなんて何もありませんでした。
答えは行かなくてはわからないし、今の私には心の答え合わせをしてくれるのが、佐野元春しかいないからです。
皆さんはどんなふうに感じましたか?
12月15日 東京
- 禅ビート
- ポーラスタア
- いつかの君
- Us
- ヒナギク月に照らされて
- 私の太陽
- 荒地の何処かで
- 紅い月
- 東京スカイライン
- La Vita e Bella
- 星の下 路の上
- バイ・ザ・シー
- エンターテイメント!
- この道
- 合言葉 Save it for a Sunny Day
- 愛が分母
- 純恋 (すみれ)
- 誰かの神
- 空港待合室
- 優しい闇
アンコール
- みんなの願いかなう日まで
- individualist
- New Age
12月16日 神奈川
=== 第1部 ===
- 禅ビート
- ポーラスタア
- 荒地の何処かで
- ヒナギク月に照らされて
- Us
- 私の太陽
- いつかの君
- 紅い月
- 東京スカイライン
- La Vita e Bella
=== 第2部 === - 星の下 路の上
- バイ・ザ・シー
- エンタテイメント!
- この道
- 合言葉 - Save It for a Sunny Day
- 愛が分母
- 純恋 (すみれ)
- 誰かの神
- 空港待合室
- 優しい闇
アンコール
- みんなの願いかなう日まで
- individualist
- アンジェリーナ