また、あした…

私が好きな音楽のことを綴るブログ

打っても響かぬ…腑抜けた日本への叫びが名曲を生む

この2冊の本の中身が連載されていたころに『コール アンド レスポンス』はリリースされた。雑誌への連載を2本持ち、連続ドラマへの出演とある意味畑違いではあるが…執筆すること、表現することという意味ではどこか共通している部分もあるのかな?

『コール アンド レスポンス』から何が読み取れるのか…本を読むとこの時期、日本に何が起きていたのか、ミヤジに何が起きていたのか…語彙豊かなミヤジの書く文章は読む者を退屈させないし、自分のありのままが書かれているので清々しい。ドラマが放送されていた時は、殊更熱心なエレカシファンではなかったけれど、タイミングが合えばこのドラマも見ていた。今思うと自分ではない架空の人物を演じることで、実は自分の本質を出していたのではないか?台本”“ストーリー”の力を借りて、自分を演じていたのかも?と、思えるほどナチュラルな演技だったと記憶する。

  • ガストロンジャー
  • so many people
  • コール アンド レスポンス

この3曲でシングル三部作されているとの事。
私なりに感じたのは「赫怒」「共闘」「共存」この3部…。

2000年はミヤジにとって、完全に開国し文明開化した年だったのだろうな。暮らしの中に洋式文化を取り入れたり…車の免許を取得し徒歩や交通機関から車の移動…打ち込みによる音楽制作…何やら若干ヤケになっている感じにもとれるが(笑)

骨董を愛し古き良き日本の暮らしを好むものの、文明の快適さを手にし瞬く間にその色に染まっていく…日本がアメリカの掌の上で転がされている不甲斐なさと、自分を重ねてみているのではないか?とさえ感じる部分もある。

吹っ切れたと言えば聞こえもいいが彼はどこか【敗北】を感じていたようにも思う。“死刑宣告”されたのも一緒…。しかし、こんな腑に落ちない世の中でも“生きていく”ことを選んだミヤジですが…

MVの中で自分で自分を撃ち殺すシーンがある。この頃を機にそれまでの自分と決別?MVの中身については自分の意見やアイデアが盛り込まれているかわからないけど、そうともとれる内容で重なる気がしている。

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さて、ドラマ出演とか驚きのニュースがあれば他にも何かあるような気がしてならないのが人。また、何か連載とか…?(笑)でも、今は音楽制作も好調な気がするから、大々的にツアーをしてくれるだろう!

 

たくさんの人があなたを求め、しがない毎日を送ってる。待てる健気さをくれる名曲

求める気持ち毎日、もっていてもなかなか叶わないものよね。
あとどのくらい強い思いで求めたら、距離が縮まるのだろう…。待ち伏せもしないし追いかけもしない。立場をわきまえた“権利”を順番待ち…ジッとその時がくるまで待つのみ。でも、私がこの世から消えるまでにはもっと近くで、あなたに会いたいものです。

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そうなの。LIVEに行くって、かりそめの喜びを得るために行くんだよね。

チケットの番号見るたびに一喜一憂して、でも行けばどんな席でも感動を得て帰ってこれる。僕らの愛は…LIVEで一瞬輝いてスパークして、日常の不条理や悲しみを乗り越えるためのエネルギーなのだな。ってつくづく思う。

こうして、ほぼ毎日ブログを更新しているのも心の声に基づいているんだけど、ミヤジが選んだ30曲に基づいて自分の心を綴っていることが、このところ非常に楽しい。上手い具合に自分の歴史と重なったり、日々の出来事に重なったり…発見もあったりと。あと、残り9曲なのだなぁ…。

ただ、エレカシ(ミヤジ)を求めるばかりでなく。こうしていることが自分なりに30周年を祝う弾みになってます。

「so many people」は23枚目のシングルでアルバム『good morning』ではバージョン違いが収録されている。私はシングル版を聴いたことがない。どんな感じなのだろう?『good morning』は打ち込み中心でエレカシ初期ファンの間ではあまり好評ではなないようですが、私は好きなアルバムの1枚。

所謂、宮本浩次の文明開化的なアルバムなんだよね。好むと好まざるに関わらず時代の流れにのってやってみたら、意外と楽しかったらしいです。免許を取ったばかりで深夜の高速を毎晩のように走ったりしながら…

でも、時々…

「このまま高速のフェンスにぶつかって、オレが死んだら…大きなニュースになるだろうか?」と、ふと思ったこともあったらしい…。
この曲の一節に

こういう感情が生み出した曲なのかもしれません。いずれにせよ生きて今日までやってきてくれてありがとう…。そう言いたいです。

きっと、so many people…皆同じ思い。

 

戦う男たちに取り急ぎ届けたかった“メッセージ”がこの名曲

戦え男よ 聞こえるこのメッセージ
燃えろよ 静かに
昨日の喜びも 捨てちまう 道端に
Oh 走りぬけろ

男に与えた“メッセージ”とはいったい何だったのだろう?

彼を鼓舞させている“メッセージ”について少し考えてみた。しかし、だれそれがあの時言ったあの言葉が忘れられず、今も教訓になっている…的なコメントは記憶に全くない(笑)もっと、古いエレカシファンの方なら何かご存知かもしれませんが…何かご存知でしたら教えてください。

その“メッセージ”がキーワードと思われるこの曲が本日のLyric Speaker
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過去のデータを見て見たらレコ発ツアー以降は、あまりLIVEでは披露されていないようだ。私は2011年9月のGG11で一度だけ聴いている。

30周年記念ベストの30曲の中に選んだ…っていうか、よく調べるとベスト盤には毎度のように入れている。何か思い入れでもあるのかしら?

シングル盤「明日に向かって走れ」リリースから、わずか1ヶ月後に出されたシングルというのも何か思惑を感じてしまう。

 

皆さんは心に残っている“メッセージ”ってありますか?何か壁にぶち当たった時に心の引き出しからすぐに取り出せる…魔法の様な“メッセージ”

主に好きなアーティストや作家さんが発した【言葉】が多いと思うのだけど、親しい人が自分に向けて言ってくれた【言葉】が身に染みて励みになってるって…少ない気もする。失礼、そんなの私の場合だけか(笑)で、そのことをよく考えてみたら、私は何か問題や悩みがおきても人に相談したり打ち明けたりしないからなのだな…って結論した。

身近な親にでさえ何も打ち明けたことはない。ほぼ事後報告(笑)

何を言われるかを予想してしまうクセがついて、話したところで“結果&結論”は既に自分の中に出ている。結局は自分の意思の問題。だから、言わなくてもよい。そんな風になってしまいました。

また、友達とかにも変な気が回りすぎて、「彼女も今他の事で大変かもしれない」とか、こんなことで人の時間を割いたら悪いとか、そんなことをつい考えてしまうクセがついてしまった。

でも、時々なにかあった時にはあの時のあの言葉があるから、今の私があるんだ!みたいなメッセージが欲しいと思うこともある。

「戦う男」の戦うは武器や技量をもって物理的に競うこと。
一方「闘う」は利害関係や自分の心の中の葛藤と闘う、精神的な闘い。

私は「闘う女」なのだと思う。

未来の自分を見据える、まるで不思議な縁のような名曲

今日のLyric Speakerは花男

この曲はファーストアルバムの最後に収録されています。そして、エレファントカシマシのファンという漫画家、松本大洋氏が同タイトルの作品を描きました。また、トリビュートアルバム「花男のジャケットの絵と題字も松本大洋氏が描いています。 

 他にも「鉄コン筋クリート」や「ピンポン」はアニメや映画化されて有名!ちなみに私はこの2作品観ました。でも、すぐにはこのトリビュートアルバムのジャケ絵とは結びつかず、漫画「花男」も知りませんでした。漫画はまた読んでみようと思います。

さて、このミヤジの花男は1stアルバムに収録されている曲なのに、すでに将来の自分に語り掛けているそんな内容のようです。そして、将来の自分は策士になって今の自分とは全く違うスタンスでまるで屍のように生きている・・・そんな想像をしているように感じました。だけど、最後はその想像を払拭するように「生きる屍さようなら!」と言い切っている。

この解釈が正しいというわけではありません。自分がそう感じただけなので誤解のなきようお願いします。

そして、ちょうど昨日土曜日の朝、ファンの間で衝撃が走りました。宮本浩次が16年ぶりにドラマ出演、しかも主役!フジテレビが主催するヤングシナリオ大賞の大賞作品がドラマ化され、その主演として抜擢されたのだ。

『俺のセンセイ』

俺のセンセイ 第28回 フジテレビヤングシナリオ大賞 - フジテレビ

役どころは昔、漫画1本を大ヒットさせるが現在は落ちぶれている漫画家という役。プロデューサーが脚本を読んで宮本しかないと直感したらしい。
確かにヒット曲を出しながらそのあと金銭トラブルがあったり、ヒット曲に恵まれなかったり不遇な時期もあった…(笑)でも、今もこうして第一線で活躍してるミュージシャンにも何か転機のような出来事が数々あったから今がある…のだ(たぶん)。
シナリオを読んでみるとどうやらこの作品の主人公も転機となるきっかけをつかみそうだ…。一応、一話完結なんだけど…連続ドラマも…可能な展開…そうなったら、どうしよう(笑)

こうして、二日続けて“漫画”つながりで偶然なのか狙ってなのか?定かではないけど、ミヤジ自身も漫画は嫌いでなさそうですし、この役も二つ返事で受けたというので何かインスピレーションを得たのかもしれないね。

 

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見えない柵の檻の中で威嚇しながら、遠巻きに餌を狙う社畜に捧げる名曲

エレファントカシマシはけして四面楚歌なバンドではない。どちらかと言えばパッと出てやってみたら玄人のおじさん達に気に入られて、トントントンとデビューにこぎつけた感じがする。そして、幸運にも熱心でコアなファンもついてフォローされ、いくつもの壁はあったもののおじさん達やファンに助けられて今日まで戦ってこれたのだろう。

玄人のおじさん達はもっとメジャーなバンドになると信じて疑わなかったわけですが、どこが間違っていたのか?飛ばず咲かずでこの『奴隷天国』まできてしまったことに、何やら言い訳じみた理由をとっつけている。

確かに内向的で閉じた世界観に向かっていたのは否めない…。私は『奴隷天国』は自らに向けた自虐的なイメージがある。「こんなオレに誰がした!?」的な怒りも感じる。

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私は落ち込んだ時には無性に『奴隷天国』が聴きたくなる。宮本から「欠伸して死ね」と言われると、氷づくどころか俄然やる気が出るのだ(笑)

人間は学習できる生き物だし成長ができる生き物だ。生き抜くために知恵をつけていけるのが人間だろう。この辺から“やり方”について変えてみてもいいかな?と思ったようだ。他のアーティストが同じ数の作品を作ったとしても、聴き手のバックグラウンドさえも考えに入れて、LIVEの場数もこなし経験を積んでいるが、エレカシの場合は“まずはこれを聴け!”というスタンスで、それまでマイナーチェンジはしつつも、モデルチェンジはなし。さすがに打つ手がなくなってきたことを実感してきたと見えた。

リスナーは音楽から自分と共感共鳴できるものを求める。中にはエレカシのような内向的な内容であっても、グッと感じて好きになった人もいるだろう。しかし、数としては圧倒的に人の心をつかむには少数なのだ。

それでも今のエレカシの活動ぶりをみてもわかるけど、大勢の心をつかむ術を得たんだ!と言える。エレカシを支えてきた玄人のおじさん達もきっとデビュー当時に見たエレカシの可能性が形になって、安心していることではないだろうか?

「溜息」つくたびに幸せは逃げていくと…人は裏切るけど、金は裏切らないみたいな卑屈ささえも名曲

子供のころは「お金」さえあれば…そんなことばかり考えてた。

うちは経済的に裕福ではなかったから、「お金」の面では色々と我慢を強いられた暮らしだったな…。早く大人になりたい早く大人になって働いて、この家を出て自分で好きなように暮らしてみたい。そんなことを思って生きてきた。

子供の頃は色々我慢してきたのに、社会人になっても私の収入の一部は生活費…親もそれなりの苦労はしていたが、物理的な苦労を子供に強いている分、気持ちで愛している態度をとってほしかった。なにもかもが「しかたがない」で片づけられて、心のケアをしてくれる親ではなかった。

早く家を出たかった。最初で最後の恋愛に破れて一層、私は家を出たかった。この家にいたら自分の希望が見えなかった。そして、今の旦那と結婚をした。

投げやりな気持ちでしたわけではないよ。高学歴でなくてもいい「真面目」であれば、高給取りでなくてもいい「安定」さえしていれば、高身長でなくてもいい「健康体」であれば…望んだのはこの3つ。

その望み通りの人です。子供に欲しいものを我慢させたり、夏に冬服の制服着せるわけでもなく、体操着も成長に合わせ変えているし…。そんな普通のことがしてあげられる親になりたかった。結婚して家庭を築き子供を産める機能を備えているから、それも使って出産育児も経験したかった。それが出来ていっちょまえの人間と言えると…今でも正直思ってる。

でも、その考えが少し変わったのは家庭を持っても持たなくても、子供がいなくても、自分以外の誰かを守ったり育てたりできるようになることが、いっちょ前な人と言えるよね…ってこと。偉いとか偉くないとかではなく、人として人を育てて世に送り出せることが、人類が住んでる以上与えられた使命のように思えるから。

「お金」が全てではないけど、適当にもってる「お金」は人の精神に余裕と平和をもたらす…お金がありすぎてもなさ過ぎても、人の心は「荒む」そんなことを私は学んだ。

昨日はブログをおやすみしました。昨日のLyric Speakerは…

だから、この曲を聴くと異様にテンションがあがります(笑)「稼いでやる!(自分の小遣い)って思うww

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胸を張って日本の抱えてる問題から、己が抱える問題にまで立ち向かえそうな名曲

【Roll & Spirit】の1曲目が発表となりました。

まずはLyric Speakerをご覧下さい。

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ガストロンジャーでした。Mellow & Shout ではポニキャニから時系列でUPされてきましたが、Roll & Spiritではそうでもないかも(笑)

このガストロンジャーは発売当時、ヒップホップ・ラップブームが到来しており、それにあやかって作ったと宮本は言っております。

また、その時の総理大臣が小渕恵三氏だったのですが、その小渕元総理を揶揄する内容の詞にに聴こえるという理由で、NHKでの放送が禁止されたというエピソードは有名です。

MVも2種類あって一つはLIVEっぽいバージョンで、もう一つはB'sの稲葉さんを思わせる、ノースリーブで黒のシャツに赤の革ジャン、でっかいバックルのベルトと言った衣装で、スチールで囲まれたようなセットの中で歌ってるという…幻のMVとまで言われたバージョンがある。

1999年あと2年で21世紀がやってくるこの年。所謂、世紀末です。ノストラダムスの大予言に踊らされ、翌年2000年ではミレニアム・バグ にITや金融関連の企業は悩まされていましたね。我が家では2000年の元旦(0時)、自動販売機でジュースを買うのに500円玉投入したら、おつり(100円玉)がジャラジャラと出てきたという珍事がおきた。まさにミレニアム・バグの恩恵を受けました(笑)

「ガストロンジャー」を作成したその時のミヤジは、バンドとしては低迷してきた時だったようですが、創作意欲的には上昇中で自宅でパソコンを駆使し打ち込みで曲を作っていた。パソコンから出る正確(ミヤジ好み)なリズム、音にこのまま解散してしまうのではないか?くらいの心配を周りに与えていたらしい。

「メンバーはビビッていただろうな…」って冗談ともつかない発言をしてる。

ミュージシャンとして、独りの男として宮本自身も
“独り鎖国 状態だった。本人がそう言っている。この頃はすでに西洋風な生活を取り入れ始めていたけど、精神状態はようやく鎖国から開国し始めたというところではなかったかな?色々と模索し続けたり、ヒットメーカーのアレンジャーと組んでみたり…。

駄目なもんは破壊されちまうんだよ。全部…だけど、俺が破壊されるわけがない!という己の中の確信がありながら、胸を張って反抗を続けて行く!という気持ちを決意というよりはどちらかというと【刹那】的にさえ思える語り調の歌詞で表現されているなと感じた。

1999年7の月*1…世界は滅びなかった。だから、12月にこのガストロンジャーが世に出された。

 

 

*1:フランスの医師で占星術師のノストラダムスが書いた予言書の中で「1999年7の月に恐怖の大王が来るだろう」という記述を残したことでこの年は注目されていた。